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2015年6月30日火曜日

vagrantのbox容量を拡張する方法

Vagrantでboxファイルをダウンロードしてくると基本的に容量が少なくて困ることが多かったので、boxのサイズを拡張してみた。
とは言ったものの、サクッと出来る感じではなく、結構手順が面倒くさいです。
何故かと言うと、Vagrantで使われる仮想ディスクイメージはvmdk形式と言われるもので、一度作成したディスクのサイズを変更することが出来ない。
なので、一度変換可能な形式(vdi)に変換して、拡張してから元のvmdk形式に戻すという手順が必要になる。
また、注意点としてVirtualBoxでスナップショット等を使っていた場合、スナップショットで保存されている内容は一切移行出来ない。
(出来る方法があるのかもしれないが、現時点ではわからなかった)

VirtualBoxをインストールしたディレクトリ内に「VBoxManage.exe」というファイルがあるので、それを使って拡張する。
C:\Program Files\Oracle\VirtualBox\VBoxManage.exe

以下、拡張のための手順。

1.VirtualBoxマネージャーで拡張したいVMを選択し、設定画面を開く

拡張したいVMを選択し、右クリック押して、コンテキストメニューの中の設定をクリック。
もしくは拡張したいVMを選択した状態で、設定ボタンを押す。


2.設定画面で拡張したいvmdkファイルの場所を調べる。

ストレージ → XXXXX.vmdk → 場所にマウスカーソルを合わせる。
そうするとフルパスが出てくるので、それを確認する。場所を右クリックするとコピー出来る。
コピーした値は「C:\Users\UserName\VirtualBox VMs\jenkins-laravel\box-disk1.vmdk」とする。


3.コマンドプロンプトを立ち上げて下記のディレクトリへ移動

cd C:\Program Files\Oracle\VirtualBox\

4.VBoxManage.exeがあるか確認

C:\Program Files\Oracle\VirtualBox> dir VBoxManage.exe

5.仮想HDDのUUIDを調べる

先ほど確認したvmdkファイルのパスと、下記のリストの中のLocationが一致するものを探す。
該当のvmdkファイルのUUIDの項目をコピーする。
C:\Program Files\Oracle\VirtualBox> VBoxManage.exe list hdds

UUID:           6e50fc33-ab05-4ca5-9740-ad708e335e11 ← これをコピーする
Parent UUID:    base
State:          created
Type:           normal (base)
Location:       C:\Users\UserName\VirtualBox VMs\jenkins-laravel\box-disk1.vmdk
Storage format: VMDK
Capacity:       30720 MBytes

UUID:           acd294ea-6844-4121-b66f-85f848bcecec
Parent UUID:    base
State:          created
Type:           normal (base)
Location:       C:\Users\UserName\VirtualBox VMs\jenkins-laravel-2\box-disk1.vmdk
Storage format: VMDK
Capacity:       30720 MBytes

6.vmdk形式からvdi形式にしてコピーする

vmdkファイルと同じ内容の仮想ディスクをvdi形式で作成する。
$ VBoxManage.exe clonehd "C:\Users\UserName\VirtualBox VMs\jenkins-laravel\box-disk1.vmdk" "C:\Users\UserName\VirtualBox VMs\jenkins-laravel\clone.vdi" --format vdi

0%...10%...20%...30%...40%...50%...60%...70%...80%...90%...100%
Clone hard disk created in format 'vdi'. UUID: 152e5d9f-e66a-4212-84d6-dbe05c1f8ceb

7.vdi形式の仮想ディスクのサイズを変更する。100GBにしたい場合は下記の通り。単位はMB

$ VBoxManage.exe modifyhd "C:\Users\UserName\VirtualBox VMs\jenkins-laravel\clone.vdi" --resize 102400
0%...10%...20%...30%...40%...50%...60%...70%...80%...90%...100%

8.拡張したvdi形式をvmdk形式にしてコピーする

$ VBoxManage clonehd "C:\Users\UserName\VirtualBox VMs\jenkins-laravel\clone.vdi" "C:\Users\UserName\VirtualBox VMs\jenkins-laravel\box-disk1.vmdk" --format vmdk

※上書きするのが怖い場合は別名にして保存し、VirtualBox上でストレージを変更することで対応出来る。
仮想ハードディスクファイルの選択をクリックして、新しく作ったvmdkファイルを選択することで、過去のファイルを残した状態で拡張出来る。
もし拡張したvmdkファイルに何か不都合があった場合は、元の仮想ハードディスクファイルに戻せば元の状態に戻る。


9.vdiファイルをVBoxManger上の管理から外す

ここに記載しているUUIDはvdi形式のファイルのUUID。
$ VBoxManage closemedium disk 152e5d9f-e66a-4212-84d6-dbe05c1f8ceb

ここまでで、vmdkファイルのディスク拡張作業は完了。
ここからは拡張したディスクを使用できるようにする。


10.拡張したVMにログインして、現状を確認する

使用出来る容量は変わっていない事を確認。
# df -h
Filesystem            Size  Used Avail Use% マウント位置
/dev/mapper/vg_vagrantcentos64-lv_root
                       28G  1.8G   24G   7% /
tmpfs                 499M     0  499M   0% /dev/shm
/dev/sda1             485M   32M  428M   7% /boot
vagrant               459G  358G  102G  78% /vagrant

11.VMWareを立ち上げて状態を確認

ディスク容量自体が増えていることを確認する
# fdisk -l

ディスク /dev/sda: 107.4 GB, 107374182400 バイト
ヘッド 255, セクタ 63, シリンダ 13054
Units = シリンダ数 of 16065 * 512 = 8225280 バイト
セクタサイズ (論理 / 物理): 512 バイト / 512 バイト
I/O size (minimum/optimal): 512 bytes / 512 bytes
ディスク識別子: 0x00054ab8

デバイス ブート      始点        終点     ブロック   Id  システム
/dev/sda1   *           1          64      512000   83  Linux
パーティション 1 は、シリンダ境界で終わっていません。
/dev/sda2              64        3917    30944256   8e  Linux LVM

ディスク /dev/mapper/vg_vagrantcentos64-lv_root: 29.6 GB, 29569843200 バイト
ヘッド 255, セクタ 63, シリンダ 3594
Units = シリンダ数 of 16065 * 512 = 8225280 バイト
セクタサイズ (論理 / 物理): 512 バイト / 512 バイト
I/O size (minimum/optimal): 512 bytes / 512 bytes
ディスク識別子: 0x00000000


ディスク /dev/mapper/vg_vagrantcentos64-lv_swap: 2113 MB, 2113929216 バイト
ヘッド 255, セクタ 63, シリンダ 257
Units = シリンダ数 of 16065 * 512 = 8225280 バイト
セクタサイズ (論理 / 物理): 512 バイト / 512 バイト
I/O size (minimum/optimal): 512 bytes / 512 bytes
ディスク識別子: 0x00000000

12.パーティションを作成する

先ほど、fdiskコマンドで出てきた「ディスク /dev/sda」と書かれているところの「/dev/sda」の部分を入れる。(青文字の部分)
# fdisk /dev/sda

警告: DOS互換モードは廃止予定です。このモード (コマンド 'c') を止めることを
      強く推奨します。 and change display units to
         sectors (command 'u').

コマンド (m でヘルプ): n
コマンドアクション
   e   拡張
   p   基本パーティション (1-4)
p
パーティション番号 (1-4): 3
最初 シリンダ (3917-13054, 初期値 3917): Enter
初期値 3917 を使います
Last シリンダ, +シリンダ数 or +size{K,M,G} (3917-13054, 初期値 13054): Enter
初期値 13054 を使います

コマンド (m でヘルプ): t
パーティション番号 (1-4): 3
16進数コード (L コマンドでコードリスト表示): 8e ← fdiskコマンドの黄文字のとこの値を入れる
領域のシステムタイプを 3 から 8e (Linux LVM) に変更しました

コマンド (m でヘルプ): wq
パーティションテーブルは変更されました!

ioctl() を呼び出してパーティションテーブルを再読込みします。

警告: パーティションテーブルの再読込みがエラー 16 で失敗しました: デバイスもしくはリソースがビジー状態です。
カーネルはまだ古いテーブルを使っています。新しいテーブルは
次回リブート時か、partprobe(8)またはkpartx(8)を実行した後に
使えるようになるでしょう
ディスクを同期しています。

13.状態を再び確認

/dev/sda3が追加され、そこに空き容量が割り当てられていることを確認する
# fdisk -l

ディスク /dev/sda: 107.4 GB, 107374182400 バイト
ヘッド 255, セクタ 63, シリンダ 13054
Units = シリンダ数 of 16065 * 512 = 8225280 バイト
セクタサイズ (論理 / 物理): 512 バイト / 512 バイト
I/O size (minimum/optimal): 512 bytes / 512 bytes
ディスク識別子: 0x00054ab8

デバイス ブート      始点        終点     ブロック   Id  システム
/dev/sda1   *           1          64      512000   83  Linux
パーティション 1 は、シリンダ境界で終わっていません。
/dev/sda2              64        3917    30944256   8e  Linux LVM
/dev/sda3            3917       13054    73398975   8e  Linux LVM

ディスク /dev/mapper/vg_vagrantcentos64-lv_root: 29.6 GB, 29569843200 バイト
ヘッド 255, セクタ 63, シリンダ 3594
Units = シリンダ数 of 16065 * 512 = 8225280 バイト
セクタサイズ (論理 / 物理): 512 バイト / 512 バイト
I/O size (minimum/optimal): 512 bytes / 512 bytes
ディスク識別子: 0x00000000


ディスク /dev/mapper/vg_vagrantcentos64-lv_swap: 2113 MB, 2113929216 バイト
ヘッド 255, セクタ 63, シリンダ 257
Units = シリンダ数 of 16065 * 512 = 8225280 バイト
セクタサイズ (論理 / 物理): 512 バイト / 512 バイト
I/O size (minimum/optimal): 512 bytes / 512 bytes
ディスク識別子: 0x00000000

14.リブートもしくはpartprobeを実行する

今回はrebootで反映させる。
# reboot

15.物理ボリュームを作成する

# pvcreate /dev/sda3
Physical volume "/dev/sda3" successfully created

16.既存のボリュームグループ(VG) に新しいパーティションを追加する

# vgextend vg_vagrantcentos64 /dev/sda3
  Volume group "vg_vagrantcentos64" successfully extended

17.既存の論理ボリューム(LV) を追加したパーティションの分を拡張する

既存のLV は lvdisplay で確認。「lv_root」が既存で、LSizeが既存のディスク容量
# lvdisplay -C
  LV      VG                 Attr      LSize  Pool Origin Data%  Move Log Cpy%Sync Convert
  lv_root vg_vagrantcentos64 -wi-ao--- 27.54g
  lv_swap vg_vagrantcentos64 -wi-ao---  1.97g

18.拡張できるサイズを確認する

# vgdisplay
  --- Volume group ---
  VG Name               vg_vagrantcentos64
  System ID
  Format                lvm2
  Metadata Areas        2
  Metadata Sequence No  4
  VG Access             read/write
  VG Status             resizable
  MAX LV                0
  Cur LV                2
  Open LV               2
  Max PV                0
  Cur PV                2
  Act PV                2
  VG Size               99.50 GiB
  PE Size               4.00 MiB
  Total PE              25473
  Alloc PE / Size       7554 / 29.51 GiB
  Free  PE / Size       17919 / 70.00 GiB
  VG UUID               f4eZwV-24wK-49T7-oERF-da3e-cwoW-gPtAdu

19.指定したサイズにディスクを拡張する

[PE Size] * [Free PE] の値が拡張できるサイズとなるので、4MB * 17919 = 71676MiB を拡張する。
# lvextend -L +71676MiB /dev/vg_vagrantcentos64/lv_root
  Extending logical volume lv_root to 97.54 GiB
  Logical volume lv_root successfully resized

20.ファイルシステムを拡張する

ディスク容量が大容量になると時間が掛かる。
# resize2fs /dev/vg_vagrantcentos64/lv_root
resize2fs 1.41.12 (17-May-2010)
Filesystem at /dev/vg_vagrantcentos64/lv_root is mounted on /; on-line resizing required
old desc_blocks = 2, new_desc_blocks = 7
Performing an on-line resize of /dev/vg_vagrantcentos64/lv_root to 25568256 (4k) blocks.
The filesystem on /dev/vg_vagrantcentos64/lv_root is now 25568256 blocks long.
※CentOS7では「resize2fs」は利用出来ないので、「xfs_growfs」を使う。
# xfs_growfs /dev/vg_vagrantcentos64/lv_root

21.容量が増えていることを確認する

# df -h
Filesystem            Size  Used Avail Use% マウント位置
/dev/mapper/vg_vagrantcentos64-lv_root
                       97G  1.8G   90G   2% /
tmpfs                 499M     0  499M   0% /dev/shm
/dev/sda1             485M   32M  428M   7% /boot